図・絵が効果的に使われている
「超ひも理論」は聞いたことがある程度で、予備知識がほとんどなかったが、わからないなりに宇宙の「具体的なイメージ」をつかむことができた。章の始めで要点をまとめたり、図・絵が多く使われたりと、読みやすさに配慮している。文章は演繹的に構成されており、筆者の主張がわかりやすい。とはいえ、やはり難しい。なんだか本当はよくわからないが、わくわくさせてくれる内容の本である。
一般向けの超ひも理論
難解な理論を一般向けに分かりやすく解説した本です。理論が元々難しいので分かりやすさにも限界はありますが、その制約の中で著者はあれこれ技を繰り出し、結果としてうまくまとめています。超ひも理論の一般向け解説書は、一線の研究者により書かれたものが多いのですが、その理由は理論が難しいので、通常のサイエンスライターには手に負えないことに起因するのでしょう。その意味では著者は以前同分野の研究に携われたということで、本理論の一般向け解説ができる非研究者の数少ないひとりかも知れません。
超弦理論のベストダイジェスト版!
超弦理論の要点を非常にうまくまとめています。 アメリカで学ばれた方だけあって、まとめ方がアメリカンスタイルのため、 行間を読むといった苦労がなく、さらに深く学ばれたい方のために参考文献、 ネット情報も豊富で専門への入門書という位置付けもできると思います。 この本にも参考文献として載っているブライン・グリーン さんの本をすでに読まれた方は気付かれたと思いますが、 グリーンさんの本に盛んに出てきたカラビ・ヤウ多様体の 話が一言も出てきません。 1980年代には、プランク長以下の世界は 11次元から4次元にコンパクト化されたカラビ・ヤウ 多様体で表現できるといった、エドワード・ウィッテンの 理論が主流で、もう1つの流れとして、ロジャー ペンローズのスピンネットワークから超弦理論を 再構築しようという思想があったもので、 竹内さんは「ペンローズのねじれた4次元」なんて 本も出しているほどペンローズ好きのようなので、 スピンネットワークを基本とした 量子ループ重力理論の話に話題を絞っているのでしょう。 お勧めの一冊です!
ある程分かってないと 分からない。
量子力学の初歩程度ですが、超ひも理論が分からない人が読むと、最初から強引に結論に持って行こうとする為、何故との疑問に対して説明が少ない。結局、前に進まずギブアップしてしまった。 少ない内容で説明しようとしているから無理がある。
やっぱり、よく分からない
古典物理は受験のときに使ったからある程度分かる。ニュートン、マクスウェルとか、ずいぶん昔の人たちだけれども、その天才たちが作った理論体系には感動させられた。でも、現代物理となると、もうチンプンカンプン。ブラックホールだの、ニュートリノだの、ヒモ理論だの、なんじゃらほいという感じだった。でも、興味はあって、自分も“宇宙の真理”なるものに触れてみたいとこの本を手にとた。 でも、やっぱり難しい。はっきり言って分かりません。著者自身も、精確さを優先させようとすると難しくなるし、分かりやすくさせようとすると精確でなくなるし・・・と、不確定性のジレンマに陥ってしまったと告白している。そもそも、たった一冊の本で“宇宙の真理”をしろうと(知ろうと)したしろうと(素人)の自分が悪いのです。 書かれている内容ははっきり言って理解ができないので、科学というよりは禅問答のような気がしました。結局、超ひもが何なのかが分からない。ニュートン力学では大きさのない質点を考えるから無限が出てしまい都合が悪い、そこで「点がダメなら線にしよう」と超ひもが出てきたらしいのだけれど、じゃあ「超ひもって結局何なの?」という感じでした。 物理学はもう科学というよりも哲学とか禅の境地に達しているんだなあというイメージを得る事が出来ました。
講談社
「場」とはなんだろう―なにもないのに波が伝わる不思議 (ブルーバックス) ホーキング 虚時間の宇宙 (ブルーバックス) ペンローズのねじれた四次元―時空をつくるツイスターの不思議 (ブルーバックス) 質量の起源―物質はいかにして質量を獲得したか (ブルーバックス) 超ひも理論と「影の世界」―見えない!さわれない!謎の世界 (ブルーバックス)
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