最高の1冊だと思います
ちいさいおうち、はアメリカの権威ある絵本の賞、 ”コールデコット賞”受賞作品です。作者のバートン女史は ”1日の流れ、時間の流れ、季節の移り変わり、それを子どもに分かりやすく描くことが非常に困難で、 この絵本を完成させるのはムリかもしれない”と思ったそうです。 最初のページにある、 太陽が笑いながら弧を描いてる絵、月の満ち欠けのカレンダー、春夏秋冬の風景、 どれもサラリと見てしまいがちですが、誰もが絵で一目見て分かるように時間の経過を バートン女史が工夫し、こころを砕き苦心の末、描いたものです。 読み終えた後も田舎へ移された、ちいさなおうちの その後に思いをはせ、余韻に包まれる話です。 このすぐれた内容の美しい絵の絵本を、ぜひ子どもに読んで聞かせてあげてほしいし、 できれば大型絵本(同じ岩波から出版されています)で 絵の美しさを堪能してほしいと思います。
大好きな大好きな本
先日、米原万里さんのエッセイを読んでいたら、その中にこの『ちいさいおうち』についての章があり、懐かしさで胸が掻きむしられるような思いに囚われました。もちろん、米原さんもこの本が大好きだったとのこと。それから、するすると糸がほどけるように、『こねこのぴっち』、『はなのすきなうし』、『おかあさんだいすき』などの愛読書だった本のことまでが、鮮やかに蘇ってきました。 色づかいの妙、風景に描きこまれた幸福感。そして、移りゆく時と周囲の変化。ちいさいおうちが郊外に引っ越すことになったのは、とても嬉しかったのですが、私が心配で不思議でたまらなかったのは、小さくても一軒の家を、本当に、ちゃあんと移したりできるの?ということでした。トレーラーの大きさなんか想像できません。何度も何度も母に、おうちを運べるのか?ということを聞いたのを、よく覚えています。そうして、何となく“大都会”というものを、怖いように思ったのも覚えています。(すごい田舎暮らしでしたし) 心のなかに、こんなに大切なものが在ったことに気付かされて、密かに嬉しい日を過ごしました。
バージニア大好き
子供の頃、お気に入りでした。丁寧な、温かい絵と、絵本の構成がとても好きで、何度も読み返してしまいます。今でも、大好きな本の一つです。
お気に入り
この本は、私が子どものころ出合って、お気に入りになっている本です。バージニア・リー・バートンさんの温かい絵と絵本の構成がとても好きです。
絵本の古典
小さいころ、いい絵本に出会えた人はしあわせである。 私はこの「ちいさいおうち」が大好きだった。 ストーリーはしごくシンプルである。 郊外にたっていた「おうち」が都市化の波にさらされていく。 その姿が夜と昼、さまざまな季節と人々の暮らしの中に丁寧に描かれていく。 最後はおうちが新しい場所に落ち着いてカタルシスで終わる。 原作の発売が1943年。日本では1954年だが古さを感じさせないところはやはり絵本の傑作。
岩波書店
かにむかし―日本むかしばなし (岩波の子どもの本) 赤ずきん (岩波の子どもの本) こねこのぴっち (岩波の子どもの本) ねずみとおうさま (岩波の子どもの本) はなのすきなうし (岩波の子どもの本 (11))
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